[PODCAST] 成功するスタートアップコミュニティの作り方 (Part 6)

In partnership with Disrupting JAPAN

7時間前
BY DISRUPTING JAPAN / TIM ROMERO
[PODCAST] 成功するスタートアップコミュニティの作り方 (Part 6)
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JStoriesでは、革新的な取り組みを行う日本のスタートアップを英語でインタビューする人気ポッドキャスト番組 [Disrupting JAPAN]とのコンテンツ提携の下、同番組が配信している興味深いエピソードを日本語で紹介しています。以下にご紹介するのは、CIC(ケンブリッジ・イノベーション・センター)の創業者兼CEOであり、スタートアップエコシステムの牽引役として活躍しているティム・ロウさんとのインタビューで、6回に分けて記事をお届けします。
*このインタビューは2025年4月に配信されました。
本編(英語版ポッドキャスト)は、こちらで聴取可能です。
Disrupting JAPAN:Disrupting JAPANは、Google for Startups Japan の代表で東京を拠点に活動するイノベーター、作家、起業家であるティム・ロメロ氏が運営するポッドキャスト番組(英語)。ティム氏が数年後には有名ブランドになるポテンシャルがあると見出したイノベーティブな日本のスタートアップ企業をピックアップして、世界に紹介している
Disrupting JAPAN:Disrupting JAPANは、Google for Startups Japan の代表で東京を拠点に活動するイノベーター、作家、起業家であるティム・ロメロ氏が運営するポッドキャスト番組(英語)。ティム氏が数年後には有名ブランドになるポテンシャルがあると見出したイノベーティブな日本のスタートアップ企業をピックアップして、世界に紹介している
Disrupting Japan の創立者で自ら番組ホストも務めるティム・ロメロ氏
Disrupting Japan の創立者で自ら番組ホストも務めるティム・ロメロ氏

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2025年2月に行われた、起業家やイノベーターが集う国際的ネットワーク「Venture Café Tokyo」のイベントで、米ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)の創業者兼CEOであるティム・ロウさんと対談する機会がありました。今回は、その対談内容をそのままお届けします。
ロウさんをこの番組に初めてお迎えしたのは2017年のことで、当時はまだCICが日本に進出する前でした。その際、私たちは日本におけるスタートアップイノベーションの未来について語り合いました。
今回の対談では、あのときの予測はどれくらい当たっていたのか、予想外だったことは何か、そしてこれから日本のスタートアップがどこへ向かっていくのかについてお話ししています。
とても興味深い内容になっていますので、ぜひお楽しみください。
※CICは、米マサチューセッツ州ケンブリッジ発のグローバルなスタートアップ支援組織で、2018年に日本法人(CIC Japan)が設立された。2020年には、主にスタートアップ向けのワークスペースやコミュニティ、各種サービスを提供するCIC Tokyoが東京都港区虎ノ門に開設。また、Venture Café TokyoはCIC Japanの姉妹団体として運営されている。
(全6回シリーズの6回目。第5回目の配信・Part5 はこちらでご覧になれます。)

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変化は非常な速さで起きている

CICの創業者兼CEOであるティム・ロウさん 提供:
CICの創業者兼CEOであるティム・ロウさん 提供:
(前回の続き)
ティム・ロメロ(インタビューアー、以下ロメロ):今や起業家精神は広く理解され、一般的になっていると思います。それでは、今後イノベーションの拠点はどうなっていくのでしょうか?一般的な拠点は大都市に集中し、地方には専門的な分野に特化した拠点が生まれるといった形になるのでしょうか?
ティム・ロウ(以下、ロウ):現在、大都市でないのであれば、専門的な分野に特化して注力する方法が、成長を加速させる手段になると思います。どの地域でもサンフランシスコのようなイノベーションの中心地になれる可能性はありますが、それには時間がかかります。他の都市を真似するのではなく、自分たちの道を進まなければなりません。
1960年代までは、ベンチャーキャピタルという概念自体が存在していませんでした。最初のベンチャーキャピタルファンドは米国ボストンで、MIT(マサチューセッツ工科大学)の学長やハーバードビジネススクールのトップたちが集まって作ったと言われています。こうした動きは非常な速さで進んでいます。初のスマートフォンは2007年に登場し、それが私たちの生活を一変させました。
だから、過去のやり方が未来でも通用すると考えてはいけません。シンプルに言うと、もし英国のマンチェスターがロンドンやニューヨーク、東京に勝ちたいなら、何か得意な分野を選んで、彼らより優れたものを作ればいいのです。それだけのことです。そして、たとえマンチェスターが成功したとしても、やがてまた、全く別の変化を遂げるかもしれません。未来のことは誰にもわかりません。

グローバル競争における日本の課題

ロメロ:では、未来の話をしましょう。日本はこの20年で確実に大きく進歩しました。これから東京や日本のイノベーション、スタートアップエコシステムにおいて、最も重要な課題は何だと考えますか?
ロウ:それは非常に明確だと思います。ビジネスとしてグローバルに成功したいのであれば、グローバルでなければなりません。それは当たり前のことです。もし日本だけでその分野のナンバーワンになったとしても、グローバルでナンバーワンの企業に勝つのは難しい。たとえば日本で一番のコーヒーチェーンになったとしても、米スターバックスには勝てません。
理由ははっきりしないかもしれませんが、スターバックスは日本で非常に成功しています。だから、日本企業がグローバルに成功するためには、どこでも通用する方法を見つけなければなりません。ソニーグループもホンダ(本田技研工業)もそれを理解していましたが、最近の日本のスタートアップはそれを忘れているように見えます。でも、それをやらなければなりません。
写真提供:Envato
写真提供:Envato
ロウ:若い世代の日本人の英語力は、実は前の世代よりも低下しています。日本の大手企業の幹部と話をすると、上の世代の方が英語が得意で、若い世代はそれに比べて劣ることが多いです。これはとてもシンプルな問題で、日本はグローバルなスキル、特に言語教育の方法を見直す必要があります。
カタカナ英語を話題にするのはあまり人気がないかもしれませんが、今でも日本語の文字を使って英語を教えており、その結果、日本語訛りの英語になってしまっています。一方で、韓国や中国では英語力が非常に高いので、日本の教育システムを見直す必要があると感じます。言いにくいことですが、これこそ日本が根本的に取り組むべき課題の一つだと思います。
ロメロ:それでは、お話しできて楽しかったです。そして、現状と未来について貴重なご意見をありがとうございました。
ロウ:こちらこそ、ありがとうございました。
(インタビューを終えて)
昔からの友人と話すのはいつも楽しいものです。皆さんが参加してくれて嬉しいです。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
[このコンテンツは、東京を拠点とするスタートアップポッドキャストDisrupting Japanとのパートナーシップにより提供されています。 ポッドキャストはDisrupting Japanのウェブサイトをご覧ください]
翻訳:藤川華子 | JStories
編集:北松克朗 | JStories 
トップ写真:Envato 提供

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本記事の英語版は、こちらからご覧になれます
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