[Podcast] 日本で外国人がスタートアップを成功させるには

日本でスタートアップを起業した外国人創業者が語る成功の秘訣と日本市場の可能性

In partnership with Disrupting Japan

9月 27, 2024
BY DISRUPTING JAPAN/TIM ROMERO
[Podcast] 日本で外国人がスタートアップを成功させるには
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J-STORIESでは、革新的な取り組みを行う日本のスタートアップを海外に紹介している人気ポッドキャスト番組【Disrupting JAPAN】とコンテンツ提携を開始し、最新のエピソードや過去の優れたエピソードの翻訳ダイジェスト版を紹介していきます。本編(英語版ポッドキャスト)は、こちらで聴取可能です。
Disrupting JAPAN:Disrupting JAPANは、Google for Startups Japan の代表で東京を拠点に活動するイノベーター、作家、起業家であるティム・ロメロ氏が運営するポッドキャスト番組(英語)。ティム氏が数年後には有名ブランドになるポテンシャルがあると見出したイノベーティブな日本のスタートアップ企業をピックアップして、世界に紹介している。
Disrupting JAPAN:Disrupting JAPANは、Google for Startups Japan の代表で東京を拠点に活動するイノベーター、作家、起業家であるティム・ロメロ氏が運営するポッドキャスト番組(英語)。ティム氏が数年後には有名ブランドになるポテンシャルがあると見出したイノベーティブな日本のスタートアップ企業をピックアップして、世界に紹介している。
ティム・ロメロ氏:Google for Startups Japan 代表。東京を拠点に活動するイノベーターであり、作家であり、起業家でもあるなど多彩な肩書きを持つ。東京電力など日本の大企業と協力して、新しいテクノロジーを使った新しいビジネスを生み出したり、ニューヨーク大学の東京キャンパスで企業のイノベーションについて講義を行ったり、雑誌などへの寄稿を行う中で、日本のスタートアップと世界の架け橋になるべくポッドキャスト番組「Disrupting JAPAN」を立ち上げた。
ティム・ロメロ氏:Google for Startups Japan 代表。東京を拠点に活動するイノベーターであり、作家であり、起業家でもあるなど多彩な肩書きを持つ。東京電力など日本の大企業と協力して、新しいテクノロジーを使った新しいビジネスを生み出したり、ニューヨーク大学の東京キャンパスで企業のイノベーションについて講義を行ったり、雑誌などへの寄稿を行う中で、日本のスタートアップと世界の架け橋になるべくポッドキャスト番組「Disrupting JAPAN」を立ち上げた。

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もし、あなたが「外国人として日本でスタートアップを始めて成長させるために本当に何が必要か」と思ったことがあるなら、今日はそんなあなたにぴったりの話があります。
今年3月に開催された「Japan FinTech Festival 2024」で、私は4人の素晴らしい外国人フィンテック創業者と座り、彼らが日本で成功するために必要なことについて話す機会を得ました。
ここで登場するのは、Curvegrid 共同設立者ジェフ・ウェントワースさん、Moneytree のCEOポール チャップマンさん、SmartPay のCEOサミル・アハメドさん、そして Habitto のCEOサマンサ・ギオッティさんです。
非常に興味深い会話でしたので、皆様にもきっと楽しんでいただけると思います。

外国人起業家がスタートアップエコシステムの促進に大きな役割を果たしている

モデレーターを努めた Disrupting Japan のティム・ロメロ(著者)   Japan FinTech Festival 2024 公式 YouTube より(以下同様)
モデレーターを努めた Disrupting Japan のティム・ロメロ(著者)   Japan FinTech Festival 2024 公式 YouTube より(以下同様)
ティム・ロメロ(以下ティム):私は、どのスタートアップエコシステムにおいても、外国人がそのエコシステムの促進において大きな役割を果たしていると考えています。それが、サンフランシスコであれ、ロンドンであれ、その理由の一つは、自分の人生を変えて地球の反対側まで移動する意欲がある人々は、よりリスクを取る人々であるかもしれないと考えられるからです。また、新しい視点を持っているからとも言えます。
今日は、特に日本で外国人としてフィンテックのスタートアップを成長させるために必要なことについて掘り下げていきます。まず、非常に簡単な自己紹介を行います。私はティム・ロメロです。私はJERA Venturesのパートナーであり、グリーンテクノロジー、エネルギー、持続可能性、次世代エネルギーに投資しています。
それ以前は、日本で4つのスタートアップを創業しました。また、Google for Startups Japanを数年間運営し、TEPCO VenturesのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)のスピンアウトを支援しました。そして、「Disrupting Japan」というポッドキャストも運営しており、日本の創業者たちへのインタビューを通じて、順応を重んじる文化の中で創業者であることがどういうことかを語っています。
左からCurvegrid の共同設立者ジェフ・ウェントワースさん、Moneytree のCEOのポール チャップマンさん、SmartPay のCEOのサミル・アハメドさん、そしてHabittoのCEOサマンサ・ギオッティさん
左からCurvegrid の共同設立者ジェフ・ウェントワースさん、Moneytree のCEOのポール チャップマンさん、SmartPay のCEOのサミル・アハメドさん、そしてHabittoのCEOサマンサ・ギオッティさん
サマンサ・ギオッティさん(以下サマンサ): 私はHabittoの共同創業者のサムです。Habittoは、日本で初めての電子金融サービス仲介業者として、日本初の「繋がった金融体験」を提供しています。私の名字が示す通り、私はイタリア人で、2人の子供の母親です。これまでロンドン、ニューヨーク、ドバイ、シンガポール、そして現在は東京で、4つの大陸にわたって生活し、働いてきました。私は約20年間、テクノロジーと金融の交差点に身を置いており、そのうち10年は大手金融機関での運営に携わっていました。
また、シンガポールのSinglifeフランチャイズを2021年にエグジットするまで運営していました。投資家としても10年の経験があり、主にベンチャーキャピタルやプライベートエクイティに携わっており、Anthemis Groupという会社で働いていました。Anthemis Groupは、ヨーロッパと北米のフィンテック業界を開拓した投資家グループです。
サミル・アハメドさん(以下サム): こんにちは、皆さん。私はSmartPayのサムです。SmartPayは埋め込み型金融の会社です。埋め込み型金融とはどういう意味かというと、消費者が購入時に分割払いのローンを利用できるようにすることで、加盟店が収益を伸ばす手助けをしているということです。弊社ではChubb社と提携し、商品保険と旅行保険を購入時に提供することになりました。20の銀行と201の信用組合と契約しています。これは何を意味するかというと、デジタルで銀行口座から直接支払いができるということです。APIを通じて、私たちのアプリから自分の銀行口座にアクセスできるようにしています。個人的には、私は2010年から日本で働いています。スターバックスでは、アプリ内決済とロイヤリティカードの導入に携わり、日本市場をスターバックスの世界で2番目に大きな市場に成長させました。その後、マスターカード、日本の銀行との提携、そしてFacebook、WhatsApp、Instagramで日本市場に関わり、Zuckから日本での成功について多くを学びました。そして、独立することを決意しました。
ポール・チャップマンさん(以下ポール): Moneytreeの創業者兼CEOのポール・チャップマンです。Moneytreeは、東京に拠点を置く金融データプラットフォームの会社です。私たちは、SMBC(三井住友銀行)、MUFG(三菱UFJ)、ゆうちょ銀行など、日本の大手銀行と提携しています。また、日本で急成長しているスタートアップも、私たちのデータプラットフォームを利用して、2,500以上のデータソースにアクセスしています。私たちは、このビジネスに長く携わっており、今日は長期的な視点から皆さんにお話しできることを楽しみにしています。ティムほど長くはありませんが(笑)。
ジェフ・ウェントワースさん(以下ジェフ): 私はCurvegridの共同創業者のジェフ・ウェントワースです。私たちは日本に拠点を置くブロックチェーンのインフラ企業です。創業して7年になり、そのうち3年間は黒字を達成しています。私たちは、日本国内外を問わず、企業がブロックチェーン上にビジネスを構築するのを迅速かつ効率的に支援しています。私は日本に18年住んでおり、以前はゴールドマンサックスなどで働いていました。今日は皆さんと考えを共有できることを楽しみにしています。

言語の壁、ビジネス文化の壁を乗り越える鍵の一つは適切なパートナー選び

Curvegrid 共同設立者のジェフ・ウェントワースさん
Curvegrid 共同設立者のジェフ・ウェントワースさん
ティム: まずは、皆さんの個人的な経験から、外国人創業者として日本で一番大きな課題は何でしたか?そして、どうやってそれを克服しましたか?
ジェフ: Curvegridを創業した時点で、私はすでに日本に11年間住んでいましたが、その時点でも今でも、私の日本語は完璧ではありません。流暢とも言えません。時々、ビジネスの会議を日本語で行いますが、私の技術的なバックグラウンドのおかげで、技術的な話をする際には少し寛容に見てもらえるかもしれませんが、言語の壁やビジネス文化の壁を乗り越えるための鍵の1つは、適切なパートナーを見つけることでした。
パートナーというのは、会社を設立したり、会計を処理したり、法的な問題に対処したりするのを手助けしてくれるサービス会社やエージェントのことです。そして、これらのサービスパートナーは、私たちが成長するにつれて進化してきました。一部の創業者はすべてを自分で行うことに成功していますが、私たちにとっては、このようなパートナーのネットワークが多くの課題を克服するための助けとなり、今でもそうです。
ティム: それらのパートナーは主に管理業務の面で支援してくれるものか、会計の外部委託などの面ですか?それとも、販売や実行にもそのようなパートナーを頼りにしていましたか?
ジェフ: 私は日本国内外でエンタープライズセールスのバックグラウンドを持っているので、販売に関してはあまり支援が必要ありませんでしたが、法務、会計、年金、給与、HRなどの面での支援が必要でした。

日本では信頼してくれる人を見つけ、信頼を築き上げることが重要

  Moneytree CEOの ポール チャップマンさん
  Moneytree CEOの ポール チャップマンさん
ポール: 少し物議を醸すかもしれませんが、私の経験をお話ししましょう。私は長い間、日本語を勉強してきました。元々は留学生として日本に来て、その後約18年前に日本で現地採用されました。ずっと日本にいたわけではありませんが、今回の滞在はかなり長く、ジェフと同じくらいの期間です。私は常に「日本はソフトウェア(ゲームを除いて)にあまり強くない」と思っていました。それで、自分が何か貢献できると感じました。
私が経験したのは、アクセントのない日本語を話せるにもかかわらず、日本国外での経験や実績が、日本国内で評価されないことです。資金調達が私たちにとって大きな課題でした。私は23歳の時に最初の会社を立ち上げ、CTOとしてそれをトムソン・ロイターに売却しました。しかし、初期の資金調達では、それがアイビーリーグのMBAほど重要視されませんでした。泳げる証明書を持っている人と、英仏海峡を泳ぎ切った人を比べるようなものでしたが、それがあまり評価されなかったのです。
そこで、私たちは信頼性を構築しなければなりませんでした。この課題をどう克服したかというと、私はこれを「信頼性の製造」と呼んでいました。もちろん、リンクトインに嘘を書いて作り上げるという意味ではありません。そうではなく、私たちを信頼してくれる人を見つけ、その人自身が非常に信頼できる人であれば、その信頼のおかげで私たちも信頼されるようになった、ということです。日本では信頼してくれる人を見つけ、その信頼を一歩一歩築き上げることが重要です。階段を上がるようにして、自分自身の信頼性を構築していくのです。
今日はMoneytreeの創業者としてここにいますが、私がどこへ行っても、それが私の信頼性の証になります。「私はMoneytreeの創業者の1人です。私たちはこういったことをやっていますし、全力を尽くしています。」初期の段階では、よく「あなたたちは一体何者なんだ?」と言われました。
日本で私たちを最初に信頼してくれた会社は、実はAppleでした。私たちは個人向けの金融アプリを提供していましたが、2013年と2014年にはApp Storeのベストアプリに選ばれました。また、Apple Watchのローンチパートナーでもありました。これが信頼性を築く最初のステップでした。
次に、私たちの上級顧問である、住友銀行および三井住友フィナンシャルグループで30年以上働いた人物が私たちを推薦してくれました。この信頼の構築についてはまだたくさんのエピソードがありますが、海外での実績を日本にどう反映させるかが大切です。たとえ素晴らしいブランドを持っていても、日本でそれをどう生かすかを示す必要があります。

NOを乗り越えるには、実行に焦点を当てたビジョンの提示

SmartPay CEOのサミル・アハメドさん
SmartPay CEOのサミル・アハメドさん
サム: 私は「実行」に焦点を当てて話したいと思います。よく聞かれるのは、「どうやって20の銀行と契約したのか?」「どうやって201の信用組合と契約して、8か月でこれを達成したのか?」ということです。実際に私たちが行ったのは、3つの基本事項に集中することでした。
1つ目は、日本ではよく「NO」と言われることです。ハワード・シュルツ(スターバックスの創業者)も、かつて「日本人はコーヒーが好きじゃない」「5ドルのコーヒーには払わないだろう」と言われました。でも今では、日本はスターバックスの世界で2番目に大きな市場になっています。また、Instagramの時も、「日本人はシャイだから、ソーシャルネットワークで自分の写真を共有しないだろう」と言われました。そのため、私たちにとっての課題は、「NO」をどうやって乗り越えるかということでした。
その答えは、ビジョンをどう伝えるかにかかっています。しかし、日本ではビジョンをPowerPointで示すのではなく、実行の具体的な計画、モネタイズの方法、タイムラインを求められます。そして、1日でも締め切りを過ぎたら信頼が失われます。ですから、最初の基本事項は、非常に具体的に実行に焦点を当てたビジョンを設定することでした。

スタッフに投資。営業チームのメンタルケア

サム:2つ目は、スタッフに投資することです。ハワードから学んだことの一つは、まずスタッフに注力し、彼らに投資することが重要だということです。スタッフがパートナーとの会議に参加した際、彼らが自信と信念を持っていることが日本では非常に重要です。もしスタッフが信じていなかったり、ただ単に商品を売っているだけだと思っていたら、日本では成功しません。
そして3つ目の基本事項は「販売」です。日本の販売文化はとても難しいです。私は「日本は販売が最も難しい市場だ」といつも言っています。コールドコール(新規顧客に電話をかけてセールスすること)はとても難しいです。ですから、営業チームは毎日多くのストレスを抱えています。そのため、営業チームを非常に慎重に育成し、ケアする必要があります。
アメリカやオーストラリア、西洋では、販売がもっと簡単だと思います。しかしここ日本では、「NO」をたくさん、しかもかなりきっぱりとした「NO」を受けます。営業チームのメンタルには厳しいものがあり、彼らの自尊心にも影響します。だからこそ、営業チームをしっかりケアし、育成することが非常に重要でした。

起業家の視点でも投資家の視点でも日本市場は興味深い可能性を秘めている

Habitto CEOのサマンサ・ギオッティさん  
Habitto CEOのサマンサ・ギオッティさん  
サマンサ: 私の経験は他の方々とはかなり違うと思います。まず、少し背景をお話ししますが、私たちは比較的新しいフィンテック企業の一つです。創業して2年になります。正直なところ、私や私たちのチームがここにいるのは、先に道を切り開いてくれた創業者たち、特に外国人創業者からのアドバイスがあったからです。日本に目を向けたとき、最初にしたことは、できるだけ多くの創業者、特に外国人創業者に話を聞くことでした。
私たちの課題は、私たちが外国人創業者であり、私は一度も日本に住んだことがなく、日本語も一言も話せないということでした。まったく異なるレベルの困難がありました。日本での文脈もなく、ただ「日本は次のフィンテック市場になるだろう」という確信がありました。私は世界中のフィンテック市場を見てきましたが、日本は新興エコシステムのすべての特徴を持っており、世界第4位の経済規模を誇りますが、フィンテックの密度はエストニア程度です。
ですから、起業家の視点でも、投資家の視点でも、日本市場は非常に興味深い可能性を秘めているように見えました。それに引き寄せられたわけです。さらに、他の市場でも見られる特定の顧客特性があり、日本ではそれが特有の文化的意味合いを持つことに気づきました。また、規制の枠組みが変化していることにも大いに励まされました。フィンテック分野の外国人起業家として、このような特徴は市場を異なる視点から捉えさせてくれます。
それは私たちだけではなく、実際には多くのグローバル投資家も今、日本を外国資本の本当の目的地と考え始めています。私にとって最大の課題は、まず日本に入国して、自分たちが「存在感を示すこと」、つまり「ここで重要である」ことを証明することでした。皆が私に対して「外国人の女性だね。日本語は話せる?」「いいえ」「日本での文脈は?」「ない」「何をしているの?」という反応でした。ですから、信頼性を築くことが非常に重要でした。

外国人起業家はビジネスの立ち上げ方を異なる視点から考える

サマンサ: そして、私たちが他と違ったやり方で取り組んだこと、そしてこれから日本に来る外国人にぜひお勧めしたいことは、ビジネスの立ち上げ方を異なる視点から考えることです。通常は「製品、規制、チーム」という順序で進めますよね。市場に製品を適合させるために。ですが、日本では私たちが直面していた特有の文脈があったので、順序を逆にしました。つまり「チーム、規制、製品」という順番です。結果として、2年でチームを作り、4つのライセンス、3つのパートナーシップ、約1万人の顧客を持ち、Aラウンドに到達しました。日本に存在しなかった外国ブランドの企業として、2年間でここまで来たのは大したものだと思います。
ティム: 素晴らしいですね。私も自身の初期のスタートアップや、アメリカのスタートアップの日本市場参入を担当した経験から言わせてもらうと、私が直面した大きな課題の一つは、日本市場へのコミットメントをどう伝えるかです。日本の企業、特に大企業には、外国企業に対する不信感が根強いです。外国企業は、問題を全て解決してくれると約束し、永遠にここにいると約束しながら、3年後にアメリカ市場が不況になると撤退してしまうことが多いからです。新しい企業が直面する一番の課題は、「自分たちはここに居続ける」ということをどう証明するかです。私たちがその問題を解決した方法は、大手の企業と提携することで、その信頼性を借りることでした。また、現地にスタッフを置き、問題が発生した時には直接電話して話し、時には叱られることができる体制を整えました。そうすることで、私たちが市場に対してどれだけ本気であるかという信頼性を築きました。

日本では品質が100%か0%しかない

ティム: さて、少しポジティブな話に切り替えましょう。問題ではなく、前向きなアドバイスをしましょう。日本にスタートアップを立ち上げに来る外国人や、すでにここでビジネスを始めている人、あるいは市場参入を考えている人にとって、最も重要なアドバイスは何ですか?
サム: まず1つ目は「製品の品質」「顧客サービス」「顧客成功」、そして「サーバントリーダーシップ(奉仕型リーダーシップ)」です。スタッフや顧客に対してサーバントリーダーシップの姿勢を持つことが非常に重要で、それは本当に謙虚な姿勢です。私が考えるに、アメリカやオーストラリアでは、品質が100%か75%か、あるいは50%かという段階があるかもしれません。しかし日本では、100%か0%しかありません。中間のスライディングスケールは存在しません。
間違いを犯すと、日本ではそれが非常に大きな問題になります。アメリカでは、スタートアップが少し独特でクールな存在として「ごめんなさい」で済むことが多いですが、日本ではそれが通用しません。ですから、スタートアップであっても、間違いを犯せば終わりになる可能性があると感じるほどの製品品質を築くことが必要です。私たちは、インフラを1年半かけて構築しました。なぜなら、1つのミスが致命的な結果を招く可能性があると理解していたからです。恐ろしいことかもしれませんが、これは本当の話です。1つのミスが信頼を失わせる可能性があります。
ですから、製品品質と顧客成功が非常に重要です。顧客成功とは何か?それは、多くのフォローアップ、たくさんのコミュニケーション、握手をし、タイムラインや実行の詳細について話すことです。もし1つの期限や機能を達成できなかった場合、なぜそうなったのか、どのように謝罪するのかを詳細に伝え、謙虚に謝罪することが非常に重要です。「来週までにできないけど、心配しないで」ではなく、「本当に申し訳ありません」という姿勢が求められます。西洋では「来週ならすぐだ」と思うかもしれませんが、日本では「この人にもっと大きなプロジェクトを任せても大丈夫だろうか?」という疑念が生まれます。ですから、製品品質と顧客に焦点を当てることが非常に重要です。

日本だと顧客対応はコストセンターではなくブランド

モデレーターを努めたDisrupting Japanのティム・ロメロ(著者)
モデレーターを努めたDisrupting Japanのティム・ロメロ(著者)
ティム: それは非常に興味深いですね。なぜなら、多くのアメリカのスタートアップでは、顧客サポートや顧客とのやり取りが「コストセンター(経理や総務など利益にならずコストになる部門のこと)」として見なされています。技術的にはその通りかもしれませんが、日本ではそれに対して全く違った考え方を持っているのですね。
サム: そう、それはブランドなのです。顧客対応がブランドの最初の接点です。顧客対応を失うと、ブランドも失います。顧客成功はブランドの最初の接点と言えるでしょう。
ティム: サマンサさんは顧客、つまり消費者向けのビジネスを展開しているわけですが、この話は消費者向けだけでなく、企業向けの販売でも同じでしょうか?

日本の消費者はガイダンスや安心感を強く求める

サマンサ: 私は、これまでアメリカやヨーロッパ、南ヨーロッパ、北ヨーロッパ、アラブ諸国、シンガポールの製品マーケティングに携わってきましたが、日本に来た時、いくつかの驚きがありました。
私が気づいたのは、日本の消費者は、たとえそのプロセスが全く意味をなさないものであっても、手順やステップに対して非常に寛容であるということです。そして、何か決定を下す際に「ガイダンス」や「安心感」を強く求める傾向があります。私たちは「お金の心理学」と呼ばれるものに非常に深く取り組んでいます。つまり、人々がお金に関してどのように意思決定をするのかということです。日本では、他の文化的背景と比べてこの部分がかなり異なります。
リスク許容度が異なることはもちろんで、これは社会全体に浸透しています。ちなみに、ここ日本ではアーリーステージの投資家の考え方も非常に違います。しかし、リスクや複数の選択肢を伴う意思決定の際、日本の消費者は「ガイダンス」や「安心感」を求める傾向が非常に強いです。そしてアドバイスが非常に重要視されます。これは驚きでした。なぜなら、「自分でやる」という文化が他の文化と比べて日本でははるかに少ないからです。これはデジタル製品を開発する際に、非常に興味深い緊張感を生み出す要素でもあります。まだこの心理的な枠組みを完全に解明したとは言えませんが、非常に強力な洞察を得て、他の市場とは異なる形で製品やサービスのインフラ、顧客とのコミュニケーションを構築していく方向に進んでいます。
ティム:私も非常に似た経験をしました。私たちがアメリカのスタートアップを日本に持ち込んだとき、オンボーディングプロセス(新入社員などのトレーニング)の一部としてサーバー設定がありました。詳細は省きますが、アメリカのチームが素晴らしい設定ウィザードを作っていましたが日本のクライアントはそれを嫌っていました。本当に嫌がっていて、その理由を説明できないほどでした。
その一方で、50から60のオプションが一緒に並んでいる非常に見栄えの悪いデバッグツールがあったのですが、日本のクライアントが口を揃えて「これがいい」と言いました。
一部のクライアントがその理由として答えてくれたのは、「すべてのステップや質問が事前にわかっていたほうが安心できる」ということでした。つまり、すべての情報を事前に確認でき、必要なことがすべて揃っていると感じたからこそ、安心して作業に取りかかれたのです。私たちはよく「日本は取り消しボタンがない社会」と話していました。
日本に来た人が誰でも経験する例は、ガスや電気、携帯電話の申し込み用紙を記入するときです。もし間違いを犯したら、用紙を新しいものに交換して最初からやり直さなければなりません。訂正することはできません。オーストラリアでは「心配しないで、ここを変えればいい」と言われるかもしれませんが、日本では「こちらが新しい用紙です。最初からやり直してください」と言われます。それを何度も繰り返すと、「もうやり直したくない」と感じるようになります。
Building a (Fintech) Start–up in Japan as a Foreigner Japan       FinTech Festival 2024 公式 YouTube より

安全に感じてもらうためにシンプルに作る

ティム:私たちのメンタルモデルは、日本では「お金を話題にすることが歴史的に汚い」と見なされてきたというものです。この10年、20年で大きく変わってきましたが、伝統的に日本ではお金を話題にすることは非常に違和感があります。これは中国とは全く異なります。その結果、裕福な人々はそれを自慢することなく、むしろ隠す傾向があります。これはアメリカや中国とは非常に対照的です。
そのため、多くの人がある種の神経症や不安、感情や価値観を持っています。
ポール: Moneytreeアプリを作るときに、私たちは「経費を緑色にしよう」と決めました。それは私たちの企業カラーでもあります。アプリ内の取引のほとんどが経費であるため、1か月に1回だけ給料が入金される一方で、経費の取引は100回もあります。もしすべてが赤色だったら、どのように感じますか?
私たちはこの視点からアプローチしました。Habittoと非常に似ています。そしてもう1つ役立つかもしれないメンタルモデルとして「怖いボタンはなし」というものも考えました。なぜなら、私たちは「Apple App Storeのトップにいますが、私たちのことを知らないかもしれません。銀行のパスワードを入力してください」とお願いしていたからです。今ではオープンバンキングを利用しているので、銀行のパスワードを直接取得することはありませんが、当時はそうでした。
私たちは、できるだけ安全に感じてもらうために、非常にシンプルに作りました。初期のiPhone用にすべてを縮小して最初に対応したのは私たちでした。iPhoneは、今思えばポストカードサイズ、いやそれよりも小さかったです。こうしたメンタルモデルが役立ちます。
ティムが最初に尋ねた質問に簡単に答えると、ウォーレン・バフェットは「タイミングを測るのではなく、市場に残り続けることが重要だ」と言いますよね。私は、日本に来る際に重要なメンタルモデルは両方だと思います。市場がいつあなたを迎える準備ができているのかを見極める「タイミング」と、サムが言っていたように、市場にどれだけの時間を費やすかという「時間の使い方」の両方です。
私たちは1年間準備をし、当初はiOSアプリと40の金融機関のサポートのみでローンチしました。現在では、2,500以上の金融機関に対応しています。iOS、Androidもあり、APIプラットフォームにも統合されています。構築には時間がかかります。しかし、私たちも最初は「もし失敗したら、逮捕されるか、国から追い出されるだろう」と感じていました。なぜなら、Moneytreeを始めた当初、これが本当に合法かどうかさえわからなかったからです。合法であることがわかったので、「よし、進めよう」と決めました。

エコシステム発展の大きな要因は規制の解放

「これまで多くのフィンテックエコシステムが発展してきたのを見てきた中で、私が学んだ最大の教訓の一つは、『規制の開放』がエコシステムの発展において最も大きな要因となるということです。」ーHabittoのCEO サマンサ・ギオッティさん
「これまで多くのフィンテックエコシステムが発展してきたのを見てきた中で、私が学んだ最大の教訓の一つは、『規制の開放』がエコシステムの発展において最も大きな要因となるということです。」ーHabittoのCEO サマンサ・ギオッティさん
ティム: タイミングについて話しましょう。研究によっても裏付けられていますが、スタートアップの成功において最も重要な要素はタイミングです。特に日本国外から見る場合、あるいは国内でも、市場のタイミングが適しているかどうかをどうやって判断しますか?タイミングが早すぎることは、間違っているのと同じです。
ポール: その通りです。(投資家の)ハワード・マークスが言ったことですよね。それが耳に残っています。
私は昨日会った創業者たちに、「5年間の猶予を設ける必要がある」と伝えました。それによって、自分たちの存在感を確立し、製品を適応させ、人々があなたに注目し始めるための時間が与えられます。そして、それには時間がかかります。サムとサマンサがここまで短期間で達成したことは素晴らしいです。もしかしたら、3年で達成できる時代が来るのかもしれません。しかし、私は「5年間を見据えなければ準備が整っていない」と伝えました。
サマンサ: タイミングについて少し異なる角度からお話ししたいと思います。これまで多くのフィンテックエコシステムが発展してきたのを見てきた中で、私が学んだ最大の教訓の一つは、「規制の開放」がエコシステムの発展において最も大きな要因となるということです。金融は規制された産業であり、規制がその基盤の核心をなしていることを忘れてはいけません。ですから、銀行のAPIや決済インフラ、データのやり取り、仲介ライセンスが規制によって解放されたとき、それは特に起業家にとって、いわゆる「規制のアービトラージ(ある管轄権の規制が厳しい場合、グローバルな金融機関が対応が容易な他の管轄権に移動することで規制を回避すること)」を生み出すための合図となります。
フィンテック業界の中で世界的なリーダーになったスタートアップの多くは、実際にこの規制のアービトラージによって誕生し、カテゴリーリーダーとして成長しました。フィンテックに関心がない方にとっては少し退屈に聞こえるかもしれません。規制の話が出ると、みんな少し退屈そうな顔をするものですが、これは市場におけるイノベーションの最大の触媒となることが証明されています。
ですから、規制当局に寄り添うことが重要であり、また規制当局が私たちを助けてくれるように協力することも重要です。
ティム: それはどのように日本では実際に機能するのでしょうか?この点に関して、皆さんの意見を伺いたいです。日本の規制体制は、アメリカやヨーロッパとは少し違った運営がなされていると言えるでしょう。多くの部分が非公式なガイダンスによって進められています。たとえば、ポールが言っていたように、何年も経たないと、自分がやっていることが合法かどうか確信が持てない場合もあります。特に新しいことを試みる際には、どうやってその不確実性を乗り越えるのでしょうか?
ポール: 規制のアービトラージや他の種類のアービトラージは、日本の場合、非常に興味深い文脈を持っています。タイミングについてもそうです。さらに、赤インクについてのエピソードを一つご紹介したいと思います。経費に関する色の問題ですが、日本の子供の宿題を見たことがある方はご存じだと思いますが、大きな赤丸がついています。最初にそれを見たとき、私は「息子は全部間違えたのか!」と思いました。カナダでは、赤インクで丸を付けることは不正解を意味します。しかし、日本ではそれが正解の印です。
また、絵文字にも同じことが見られます。iPhoneやAndroidの絵文字を見てみると、上向きのグラフが赤色になっています。カナダやアメリカでは、赤は下向きのグラフを意味します。ですから、規制のアービトラージに関連させて考えるべきことは、もしあなたが日本に来る創業者なら、最初に決断しなければならないのは、日本国内市場向けに販売するために日本に来るのか、ということです。

日本に拠点を置きながらグローバルに販売する

ポール:しかし、もう一つの選択肢として、日本に拠点を置きながらグローバルに販売すること、最初はグローバルに焦点を当てることもありえます。特に、消費者向けのアプリではなく、必ずしも日本市場にすぐに参入するつもりがない場合、日本は会社を設立する素晴らしい場所です。最初にすべての規制の複雑さに直面する必要がないからです。これは一般的なアービトラージの考え方であり、日本は強力な法の支配、優れた規制、素晴らしい銀行システム、非常にクリーンで安全な環境を持つ場所です。創業者の視点から見ても、給与やオフィススペース、先ほど話したようなサービスプロバイダーに関しても比較的安価です。ですから、これはもう一つの選択肢だと思います。
日本に来て、ここに拠点を構え、そしてグローバルに販売する。そしてそのアービトラージの利点を活かすことができるでしょう。タイミングの問題についても、5年や10年前にはそれほど可能ではなく、容易ではありませんでした。「私は日本の会社だ」と言うのは難しかったのです。グローバルに販売するために海外の投資家、さらには日本の投資家から資金を調達するのが難しかったのです。しかし、今日ではそれがますます可能になり、国内市場に参入したい場合にも非常に有利です。日本は世界第4位の経済大国であり、無視できない市場です。日本の消費者や企業に販売するスタートアップも有望な一方で、グローバルな視点を持つ創業者にとっては、もう一つのアービトラージの機会だとも思います。

シンガポールよりも日本が優位性を持っている分野

「日本が実際に優位性を持っている分野もあると思います」ー Moneytree ポール・チャップマンさん
「日本が実際に優位性を持っている分野もあると思います」ー Moneytree ポール・チャップマンさん
ティム: 日本でスタートアップを立ち上げ、グローバルな野心を持ってスタートすることについてですが、それは素晴らしい考えだと思います。私たち全員がそうしてきました。しかし、それに賛同しない人に対してはどうでしょう?サンフランシスコやニューヨークではもっと多くの資金を調達できますし、シンガポールもアジアにあります。規制も明確で、資本へのアクセスも容易かもしれません。では、なぜ日本でスタートアップを始めるのでしょうか?
ポール: 興味深い質問ですね。ここで一つ掘り下げたいのは、シンガポールの明確な規制体制についてです。シンガポールからいらっしゃっている皆さんには敬意を表します。フィンテックフェスティバルが最初に始まったのはシンガポールですし、もちろん素晴らしいイベントです。しかし、日本が実際に優位性を持っている分野もあると思います。それは私たちの事業、つまりブロックチェーンやWeb 3の分野です。日本では規制が非常に明確です。
ブロックチェーン、暗号通貨、Web 3は日本では「汚い言葉」ではありません。ソフトウェア会社として銀行口座を開設し、資金にアクセスし、税金を申告し、監査を受けることができます。それについて何の懸念も持つ必要がありません。シンガポールなどで聞いた話では、まだ大きな課題があるようです。ですから、これは一つのポイントです。資金調達に関しても、よく言われることですが、同じ労力をかけても調達できる資金は半分だという話は、今でも部分的には当てはまります。
つまり、規制のアービトラージを活用することができ、コストベースも低いということです。サンフランシスコほどの資金を調達する必要はないと思います。
サム: アジア全体と日本の規制当局の違いについて少し話したいと思います。私はインド、シンガポール、オーストラリア、アメリカで働いてきました。日本の規制環境は、私が説明するならば、「ワードドキュメント」のようなものです。たくさんのページがあり、多くのガイダンスがありますが、それを解釈する必要があります。
ヨーロッパの企業がよく犯す間違いは、弁護士や規制マネージャーを規制当局に送って、その文書を解釈しようとすることです。それは実際には彼らが最も会いたくない人たちです。規制当局が本当に求めているのは、その文書を製品にどのように反映させるかです。ですから、私たちが行ったことは、製品担当者を規制当局に送ることでした。私たちは規制当局と協力し、特にAPIバンキングによる「直接銀行決済ライセンス」に関して共同で製品を作り上げました。
これにより、私たちは銀行口座から直接支払いができる唯一の会社となりました。この過程で、規制当局と3ヶ月間共同で製品を開発しました。ほとんどの企業はこうしたプロセスを望みません。自分たちの望むものを提示し、フィードバックを受けて去る、というプロセスです。しかし、私たちはワークショップのように進めていきました。その一例が、私たちのアプリで銀行口座にアクセスする前に2つのバイオメトリクス(生体認証)が必要になったことです。1つは銀行口座にアクセスする前、もう1つは支払いの前です。
これは規制当局が望んだことでした。私たちは「そんな手順は必要ない。手順が多すぎる」と思いましたが、実際にはそれが消費者の信頼を高めました。このように、規制当局との関係は製品デザインのワークショップを通じて築かれました。「こちらが私たちの解釈で、そちらが規制当局の解釈」というよりも、共同作業で進めました。
ティム: その結果、規制当局の意見が反映されたことで、より良い製品ができたのですね?
サム: そうです。間違いなくその通りです。私はこれまで西洋の企業と日本で働いてきましたが、規制を非常に悪い形で管理してきた企業を何度も見てきました。彼らは会議に出席し、「これが私たちの望むものです。YESと言ってください。さもなければ6ヶ月間議論します」と言うのです。
サム: アメリカやEUから来た場合、規制当局との関係は敵対的なものになりがちです。しかし日本では、もっと協力的である必要があります。規制当局が製品デザインに関与できる場合、特に消費者向けのUX(ユーザーエクスペリエンス)のデザインに関与できれば、その関係は花開き、信頼が生まれます。そして最終的には、彼らが気にしているのは「消費者の安全性」「データの安全性」「お金の安全性」です。それが彼らにとってのスタートポイントです。消費者向けのUXのスピードではなく、安全性が最優先です。

日本の企業が気にするリスクは、自分の仕事にどれだけリスクがあるか

Japan FinTech Festival 2024 公式 YouTube より
Japan FinTech Festival 2024 公式 YouTube より
ティム:多くの外国人創業者が驚くことの一つに、日本の意思決定のスピードや、販売サイクルの長さ、新しいクライアントを獲得するまでにかかる時間があります。フィンテックのように、特に企業向けの新しいイノベーションを求める市場でも、同じことが当てはまるのでしょうか?
サム: 日本の大企業では、意思決定のプロセスが非常に複雑で、多くの関係者の合意が必要です。そこで、何が合意の鍵なのかを明確にする必要があります。それは「リスク」です。価値提案に重点を置くのは西洋的な考え方ですが、実際に日本の企業が気にしているのは、「このプロジェクトが失敗した場合、自分の職にどれだけリスクがあるのか」ということです。
ですから、なぜリスクがないのかを明確に説明する必要があります。つまり、この製品はリスクがないのだということです。この製品は動作しますし、私たちは顧客のために全力を尽くして対応します。企業向けでも、リスクをなくすことが重要です。
次に、ステップを踏むことが必要です。規制当局や民間企業と協力する際には、意思決定はすぐには行われません。ですから、第一ステップ、第二ステップ、第三ステップというように段階的に進める必要があります。これには1年かかることもあります。そして、もしこのプロセスにイライラしてしまうと、スタッフのモチベーションが下がってしまいます。だからこそ、営業チームをしっかりサポートすることが重要です。営業チームを励まし、前向きに進めるようにすることが大切です。日本では営業は非常に難しい市場です。
ティム:もう一つ重要なのは、一度顧客を獲得すれば、彼らは非常に忠実であるということです。競合他社があなたの顧客を奪うのは、あなたがその顧客を獲得するのと同じくらい難しいのです。ですから、最終的には全体としてバランスが取れるのです。
[このコンテンツは、東京を拠点とするスタートアップポッドキャストDisrupting Japanとのパートナーシップにより提供されています。 ポッドキャストはDisrupting Japanのウェブサイトをご覧ください]

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