盲導犬に代わるナビゲーションロボット

視覚障害者らの街歩きを支援

3月 8, 2022
By Yui Sawada
盲導犬に代わるナビゲーションロボット
この記事をシェアする
J-STORIES ー AI(人工知能)搭載のロボットが盲導犬に代わって目の不自由な人たちの手を引く時代がやってくる。障害者や高齢者などの移動やコミュニケーションの支援をテーマに開催されている東京都のイベントに、全盲の科学者が開発を手掛けるスーツケース型ナビゲーターロボットがオンライン展示されている。
このロボットはその名も「AIスーツケース」。行きたい場所をスマホアプリから指示すれば、目的地だけではなく、途中に通る場所の案内も音声で行なう。カメラ・センサーからの情報を使って障害物を認識し回避する機能やほかの人たちとのコミュニケーションを助ける機能などを装備している。
AIスーツケースのデモを行う浅川さん               YouTube: AI Suitcase Consortium
AIスーツケースのデモを行う浅川さん               YouTube: AI Suitcase Consortium
開発・実用化を進めているのは、日本IBMを始めとする大手企業などが参加する「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」。このプロジェクトの発起人である日本科学未来館(東京・お台場)の浅川智恵子館長は自らが全盲の障害を持つ。
浅川さんは小学生の時に起きたプールでの事故で視力が弱まっていき、14歳のときに失明した。移動の不安を常に抱える視覚障害者が自立して街歩きができる社会をめざし、前職のIBM時代から情報アクセスビリティー技術の研究に取り組んできた。
浅川智恵子さん               https://caamp.jp/
浅川智恵子さん               https://caamp.jp/
「AIスーツケースを一つのきっかけとしてテクノロジーがここまで変えていくことができるということを示し、新たな技術にアンテナを張っていきたい」。浅川さんは日本科学未来館の記者説明会でこう語った。このロボットは同館に実装する計画だ。
このロボットが展示されている東京都主催の「アクセシブル・ツーリズム推進シンポジウム」では、誰もが快適に観光できる都市作りに向けて、講演や相談会のほか、様々な支援の事例も紹介している。同シンポは2月末まで公開されている。
記事:澤田祐衣 編集:北松克朗 
トップ写真:prostooleh/Envato
この記事に関するお問い合わせは、 jstories@pacificbridge.jp にお寄せください。

***

この記事に関する動画はこちらです

***

本記事の英語版は、こちらからご覧になれます。
コメント

今日、工事中の歩道で死にそうになった白杖の人を見た。 幸い女性が脱出させ、その後は私がバス停まで案内をした。 しかし、24時間その人は外出で苦労するのである。 また死にそうになるかもしれない。 工事は彼らのことは最初から考えてはいない。 行政が…と言ってみても仕方がない。 この装置は日本が作らねばな...もっと読む



投稿する

この記事をシェアする
人気記事
提携プレスリリース
プレスリリース配信・世界最大手広報通信社
ニュースレター
ニュースレター購読にご登録いただいた皆様には、J-Storiesからの最新記事や動画の情報を毎週無料でお届けしています。