JStories – 日本初のソリューション特化型メディア「JStories」は、昨年に続き今年も、8月25日と26日に東京都内で開かれる「2025 日本・台湾イノベーションサミット」のメディアパートナーに選ばれました。今回もこのサミットや台湾の魅力、出展企業、登壇者などの関連コンテンツを掲載し、イベントとともに日本・台湾のスタートアップコミュニティを盛り上げていきます。(JStories編集部)
「日本・台湾イノベーションサミット」とは
「日本・台湾イノベーションサミット」は2022年にスタートして以来、前回(2024年9月開催)までに台湾、日本、その他の地域から100社以上のイノベーティブなスタートアップ企業が参加している。政界、学会、産業界、メディアなど各方面からこれまでに1,000人以上が集まり、日台連携のスタートアップイベントとしては最大規模を誇る。主催は台湾の国家スタートアップブランド「Startup Island TAIWAN」で、東京都や日本貿易振興機構(ジェトロ)は今年も特別協賛として参画する。
4回目の開催となる今年の「2025 日本・台湾イノベーションサミット」では、デジタルトランスフォーメーションなどの分野におけるサステナブルで革新的な技術、社会問題の解決をめざすイノベーションなど、様々な課題に意欲的に取り組むスタートアップのアイデアをピッチするだけではなく、そうしたアイデアを日台の参加者とともに議論して、ビジネス拡大へのアプローチに繋げるイベントとなる。
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サミットの概要
今回のサミットには台湾から40社以上の革新的なスタートアップが参加する。初日は東京・内幸町の帝国ホテル東京で投資家などVIPを招いた招待制のセッションを開き、2日目は丸の内の東京イノベーションベース(TiB)にて一般参加も可能なピッチイベントが行われる。
- 初日の25日のオープニングスピーチは、台湾の経済・産業・スタートアップ政策の司令塔を担う台湾国家発展委員会のトップ、劉鏡清(リュウ・キョウセイ)主任委員(大臣相当)。
- 25日のM&Aセッションでは、日本の「キング・オブ・M&A」とも呼ばれM&Aに造詣が深い、SHIFT USA 取締役CEOの小島秀毅氏がモデレーターを務め、M&A市場における最新動向とスタートアップ連携の可能性を議論。
- 東京証券取引所と台湾証券取引所の双方から資本市場の展望についての基調講演も実施予定。
- 翌日26日は東京都が運営する東京イノベーションベースにて、アジア最大級のスタートアップショーケースとして、台湾から40社以上の革新的スタートアップ がイノベーションやテクノロジー分野などで台湾が誇る最新技術を発表。日台の多様なスタートアップ関係者や、投資家などとの交流が可能。
サミットの見どころと拡大を続ける日台スタートアップ協業の背景について
日台で進むクロスボーダー連携
日本と台湾のスタートアップ・エコシステムをつなぐクロスボーダーのM&AやCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)投資が、この1年で新たな局面に入りつつある。
東京都を始め日本の地方自治体とも密に連携している台湾の政府系スタートアップ支援ブランド「Startup Island TAIWAN」は、2024年9月に、日本と台湾のスタートアップ間の包括的な交流を促進し、両国の市場進出を支援するグローバルなエコシステムの構築を目指した海外拠点を東京(浜松町)に開設した。
また、今年3月には、アストラゼネカ、清水建設、三菱商事といった日本の大企業と台湾スタートアップがチームを組み、新規事業開発に取り組むプログラム「日台アクセラレータープログラム」がスタート。こうした動きは今後も拡大が予定されており、日台の協業とマッチングを支える環境基盤は拡充されつつある。
成長を続ける台湾のスタートアップ連携の最重要パートナーは日本
こうした背景には、台湾スタートアップエコシステムの急成長がある。2023年には、台湾におけるスタートアップの資金調達は542件、総額で約28億ドル(約4,200億円)と過去最高を記録。さらに2024年にはスタートアップ総数が約10,000社まで増え、VC/CVCによる投資が全体の約60%以上を占めるなど、資金の流れは依然として活況を呈している。
台湾政府はこの勢いを海外展開に結びつけるため、「橋梁計画(Bridging Taiwan to the World)」を掲げ、初の連携先として日本を選んだことを明らかにした。
日本側でも台湾を「スタートアップ連携の最重要パートナー」と位置付け
これに呼応するように、日本側でも台湾を「スタートアップ連携の最重要パートナー」と位置づける動きが強まり、半導体に加え、バイオ、医療、DXなど幅広い分野で投資と協業が進んでいる。熊本に進出した台湾企業TSMCが地域経済を活性化させた成功例もあり、台湾企業との連携に対する期待は日本でも高い。
象徴的な事例としては、台湾発の旅行系スタートアップ「KKday」に対する日本のCool Japan Fundと台湾国家発展基金の共同出資が挙げられる。調達額は約7,000万ドルにのぼり、アジア域内での事業展開とAI活用に活用されている。また、日本のH.I.S.とも資本業務提携を結んでおり、旅行・エンタメ領域における日台協業の代表例とされる。
一方、台湾AI企業 Appier の2021年の東京証券取引所上場は、台湾スタートアップにとっての「対日進出成功モデル」として注目され続けている。さらに、PwC台湾の調査によると、台湾のスタートアップが今後2〜3年で進出したい海外市場として日本が第1位(25.2%)に選ばれており、米国(24.7%)を上回る結果となった。文化・地理的な近さや、日本政府によるスタートアップ支援策の手厚さが、台湾のVCや事業会社を惹きつけている。
新たな局面に入る日台スタートアップ・クロスボーダーM&AとCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)投資
2025年の「日本・台湾イノベーションサミット」では、こうした動きを象徴するように、グローバルな視点からのM&AやCVCに特化したセッションが設定されている。両国政府や投資家、大企業が関与する連携事例も増え、資本・人材・ノウハウを含めた立体的な協業が生まれている。
2025年サミットの目玉その1:「M&A キング」の異名を持つ株式会社SHIFTの小島氏がモデレーターを務める日台クロスボーダーM&Aについてのパネルディスカッション
2025年のサミットでは、クロスボーダーのM&Aセッション(パネルディスカッション)に注目が集まる。モデレーターを務めるのは、「M&A キング」の異名を持つ株式会社SHIFTのグループ経営推進部長・小島秀毅氏だ。SHIFTは年間40件近くもののM&Aを実行しながら急成長を遂げる日本企業であり、彼の視点は日台の資本戦略を語るうえで欠かせないものとなる。(JStoriesによる、小島氏への過去のインタビュー記事はこちらから)
2025年サミットの目玉その2:Z Venture Capital、Sony Ventures など台湾の複数の有力VCが参加するCVCによるパネルディスカッション
CVC領域でも日台連携は加速している。台湾のCDIB Capitalと日本のCool Japan Fundが共同で立ち上げたファンドは、現在6,200万ドル規模にまで成長。今後、LINEヤフーのVCである Z Venture Capitalや台湾のDarwin Venturesなどの民間プレーヤーを巻き込んだ共同投資も見込まれている。単なる財務的リターンではなく、パートナー企業との事業シナジーや市場拡大を見据えた出資が主流となっており、いわゆる「CVC 4.0」時代の到来が感じられる。
8月25日(月)の午前中に帝国ホテルで行われるCVCセッション(パネルディスカッション)には、Z Venture Capital の他、Sony Ventures や台湾の複数のVCも参加。モデレーターを務めるのは、台湾の主要アクセラレータ・VCであるSparkLabs Taiwanの代表、Edgar Chiu氏だ。
日台のスタートアップ連携は、もはや単なる「隣国間の交流」にとどまらない。互いの強みを活かし、第三国市場への展開や社会課題解決に挑む次世代型の連携モデルへと進化しつつある。今年で4回目となる、この夏の日本・台湾 イノベーションサミットでは、そうした東アジアにおけるクロスボーダーの未来を見据えた議論と出会いが生まれることが期待されている。
2025 日本・台湾イノベーションサミットに参加するには
事前登録制ですが、どなたでも無料でご参加いただけます。
- 8月25日 1日目: Bridging Day
- 8月26日 2日目: Startup Pitch

<8月25日>イベント概要
- イベント: Bridging Day
- 日時: 2025年8月25日(月)
- 場所: 帝国ホテル(東京都千代田区内幸町1-1-1)
- 主催: Startup Island TAIWAN(台湾国家発展委員会支援)
- 参加費: 無料
- 言語:中国語と日本語 (同時通訳あり)
主な内容
- 特別講演では「なぜスタートアップ投資が企業成長戦略の最良策なのか」について、「世界を変える先駆者たち - ディープテクノロジーの最前線」が予定。
- コーポレート・ベンチャーキャピタルのCVC4.0では、産業界が資本市場と共にWin-winの関係を実現する方法について、またM&Aでは、日台の資本協力の新モデルや新市場への切り開くインサイトトークを実施予定。

<8月26日>イベント概要
- イベント: Startup Pitch
- 日時: 2025年8月26日(火)
- 会場: Tokyo Innovation Base(TiB)(東京都千代田区丸の内3-8-3)
- 主催: Startup Island TAIWAN(台湾国家発展委員会支援)
- 参加費: 無料
- 言語:中国語と日本語(AI通訳によるもの)
参加スタートアップ(一部抜粋)
… 等々
当サミットは、こんな方へお勧め
- スタートアップとの事業連携や共創を検討している大手・中堅企業
- 海外スタートアップに関心のある日本企業
- 投資先となるスタートアップを探している投資家、VC、CVC、金融機関
- 台湾スタートアップエコシステムに興味のある方
- 官公庁・地方自治体
JStoriesは、2025 Taiwan Tech Week の公式メディアーパートナーに就任。今後さらに本イベントや関連イベントに関する情報を、皆様にタイムリーに分かりやすくお伝えしていく予定です。JStoriesの特設サイトは、こちらから。
記事:JStories
トップ写真: Startup Island TAIWAN 提供
この記事に関するお問い合わせは、 jstories@pacificbridge.jp にお寄せください。
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