(シリーズ)JStoriesでは、東京(東京圏)の今の姿を、多様なフォトグラファーの目で活写したフォトストーリーをシリーズでお届けします。日本に以前からあるものや、2025年の今にしか存在しないものまで、どこか日本らしいユニークさや、イノベーティブなアイデアが感じられるものを、様々なバックグラウンドを持つJStoriesスタッフが街中を歩きながら見つけて撮影しました。こうした日常の姿の中にこそ、世界の問題解決につながる日本発のイノベーションのアイデアが生まれているのかもしれません。

JStories ー 今年のゴールデンウィーク中も、東京タワーはカラフルな姿で春を迎えた。現代の日本の子どもの日の前身である端午の節句を祝うため、東京タワーの入り口付近には鮮やかな鯉のぼりが飾られた。3月25日からゴールデンウィーク終了日(5月6日)まで展示されたこれらの鯉のぼりは、東京タワーの高さ333メートルにちなんで、なんと333匹も飾られている。

まるで空を泳ぐ魚の群れのようだが、その中には、全長6メートルの一匹の特別な「魚」が隠れていることは以外に知られていない。この巨大な魚は、鯉ではなく、「さんまのぼり」と呼ばれ、東京タワーと岩手県大船渡市との絆を象徴したものだという。2011年の東日本大震災と津波の後の復興支援のため、東京タワーでは、2011年4月に初めてこの「さんまのぼり」を掲げた。それ以来、東京タワーの毎年の飾りの一部となっている。

大船渡市は、さんまの水揚げ量本州一位(平成27年から7年連続本州1位)として知られており、水揚金額は平成24年から10年連続本州1位を誇る。
東京タワーと大船渡市の繋がりは、2009年のサンマイベントを通じて築かれ、以降友好関係が続いているという。
子どもたちの健やかな成長への願いを象徴する鯉のぼりは、現在の都内の住宅地ではあまり見かけなくなった。しかし、東京タワーでは鯉のぼりは、今も春の大切な風物詩として祝われており、観光に訪れる外国人にも大変人気の名所として認知されつつある。


動画
記事:Nicolas Ito
トップ動画 : Giulia Righi, Nicolas Ito, Alexander Cas | JStories
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