J- STORIES - 昨年の成功を受けて、2024年の Rocket Pitch Night が再び関西に戻った。9月6日(金)、約600人のスタートアップ関係者が大阪に結集。2019年に始まったベンチャーカフェ東京主催のピッチイベントは、2回目となった大阪開催で今年も盛り上がりを見せた。
今回の関西でのイベントは、ボストンを拠点とする非営利団体ベンチャーカフェの日本支部と立命館大学との協力で開催された。日本全国から40のスタートアップが、「医療・ヘルスケア」、「社会・教育」、「AI・VR」、「デザイン・農業」といった4つのカテゴリーに分かれて参加。各スタートアップは、米国・バブソン大学のピッチフォーマットに従い、3分間と3枚のスライドで革新的なアイデアを発表した。バブソン大学は、米国の「U.S. News & World Report」によって過去31年間連続で起業家教育の第1位にランクされている。
「医療・ヘルスケア」カテゴリーでは、現代社会の大きな問題となっている孤独感、ストレス管理、さらにがんや糖尿病などの疾患の早期発見・治療に対して、参加スタートアップからテクノロジーを活用した解決策が提示された。
その中の1つである京都を拠点とする医療スタートアップ、セカンドハートは、健康管理アプリを活用して糖尿病による足の切断を撲滅することを目指している。セカンドハートの創業者兼CEOである石田幸弘氏は、世界で最も高い糖尿病罹患率を持つ国の1つであるマレーシアでサービスを提供する計画があることを述べた。
「マレーシアの次は、シンガポールやインドネシアへ展開し、シンガポールでのIPOを目指すことになると思います。そのような形が(成長への)自然な流れだと思っています。」と語った。
日本で臨床工学士として約20年の経験を持つ石田氏は、数百人もの糖尿病患者と出会い、その中には最終的に四肢切断を余儀なくされた人いたという。
「この世界的な社会問題に立ち向かうために必要なものがすべて揃った今、足の切断をなくすという使命を果たすために、事業を行っています。」と石田氏。
ベンチャーカフェは、今年の末までに福岡と横浜にアジアで2番目と3番目の拠点を開設する予定だ。それらのオフィスが、日本とアジア間のスタートアップたちのゲートウェイとなることを目指している。
記事 (英語原文): Lucas Maltzman
翻訳・編集: Toshi Maeda, Desiderio Luna
写真提供: Courtesy of Venture Cafe Tokyo
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