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J-STORIES ー 完全に光を遮断した「純度100%の暗闇」の中、視覚以外の感覚を使って、様々な動きやコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメント、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)。このプログラムで参加者を案内するのは、視覚障害者たちの仕事だ。およそ90分間のプログラムの中で、1人のアテンド役が8人の健常者を案内する。
これまで15年以上、DIDでアテンド役を務めてきた木下路徳さんは全盲の障害者だ。木下さんは「見えない」からこそ、健常者を暗闇での様々な体験や学びに導くことができるという。
自分にとっては普通のことが、健常者にとっては新鮮な感覚になる。暗闇の中で池の水を触る体験に案内した時、手探りで触れた水の感触に盛り上がる参加者の様子をみて、木下さんは「予想外の衝撃」を感じたという。「とてもショッキングだった」と振り返る。
それまでの人生で、見えないというコンプレックスのため、何もできないと「半ばあきらめてしまうような認識」を抱いていたという木下さん。DIDはそうした考えを変える活躍の場となった。「見えないからこそできるという考え方を教えてもらい、とても勇気付けられた」と木下さんはJ-Storiesとのインタビューで語った。
DIDでは、東京・竹芝で運営しているダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」のほか、三井ガーデンホテル神宮外苑内にある「内なる美、ととのう暗闇」という「大人のための体験施設」で、2022年4月9日から「午睡」という期間限定プログラム(6月30日まで開催)を開いている。
記事:澤田祐衣 編集:北松克朗
トップ写真:twenty20photos/Envato
この記事に関するお問い合わせは、 jstories@pacificbridge.jp にお寄せください。
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