J-STORIES ー すべての人の社会参加をめざす "Leave no one behind" の機運が高まる中、難病や障害で寝たきりの生活を余儀なくされている人たちがロボットを遠隔操作して接客を行うカフェが東京都内に登場した。
この「分身ロボット」は視線入力装置で操縦でき、眼や指先しか動かすことのできない重度の障害者も、マイクやカメラを通じてカフェに来た人たちとのコミュニケーションが可能になる。
分身ロボット「Orihime-D」を開発したのは、ベンチャー企業のオリィ研究所。身体の障害で自由なやり取りが難しい人々だけでなく、育児や介護で外に出られない人なども、このロボットを通じて遠くにいる人たちとの意思疎通が可能になる。
このカフェで働くパイロットの一人、三好史子さんは徐々に筋肉量や筋力の低下が起こってしまう骨髄性筋萎縮症という難病を抱えている。ふーちゃんの愛称を持つ三好史子さんは、自身のツイッター(@fukomalu)で「仕事してる時が1番心が充実してて豊かになっている気がする。思い通りに動かない自分の身体のことを忘れられて、自分は生きる意味があって、社会とつながっている実感を感じられる」とつぶやいている。
同研究所はこのカフェについて、障害者、健常者の区別なく、出会い、語り合い、楽しむことができる「新しい社会参加の形を作る実験」だとしている。
- この記事は2022年2月に執筆されました。
記事:澤田祐衣 編集:北松克朗
トップ写真:https://orylab.com/
この記事に関するお問い合わせは、 jstories@pacificbridge.jp にお寄せください。
***
***
本記事の英語版は、こちらからご覧になれます。
***
***