J-STORIES ー 台湾と日本からイノベーティブなスタートアップ企業約70社が集結し、政界、学会、産業界、メディアなど様々な業種の1,000人を超える参加者と交流する最大規模の日台スタートアップイベント「2024 日本・台湾イノベーションサミット」が9月17日、18日に渡って行われた。
今年のサミットは前回よりもさらにスケールアップし、AI、バイオメディカル、サイバーセキュリティ、デジタルサービス、フィンテック、防衛・航空宇宙など多様なトピックが盛り込まれた他、半導体サプライチェーンなど、日本が特に重視する産業イノベーションにも焦点が当てられた。
2日目冒頭は初日に続いて、台湾国家発展委員会の委員長(大臣相当)であり、今回のサミットの台湾側の団長でもある劉鏡清(リュウ・キョウセイ)委員長が登壇した。
これに続き、東京都からはスタートアップ・国際金融都市戦略室室長の吉村恵一氏が登壇し、東京のスタートアップ支援計画についてアピールした。
2日目(18日)の目玉は2つの重要テーマを取り扱う基調講演だ。まず、QIC(クワンタムインターナショナル)創業者兼CEOの李鴻基(リ・ホンジ)氏が「台湾の半導体サプライチェーンの市場価値が2033年までに10倍に成長する理由」と題して、台湾の半導体メーカー・TSMC(台湾積体電路製造)に比べて、台湾の半導体サプライチェーン関連企業の市場価格がまだまだ低いことを示し、同社の成長に合わせてサプライチェーン全体の市場価値が2033年までに10倍に成長するポテンシャルがあることについて解説した。
続いて、東大IPCで投資担当パートナーを務める古川圭祐氏が「東大VCのイノベーションと起業育成システム」と題して、日本国内における政府と大学の協力によるイノベーションと起業の促進について講演を行った。東大IPCは、医療、宇宙、人工知能(AI)、環境、アグリテックなどといった社会を大きく変える可能性を秘めたディープテック領域において、多種多様な スタートアップ企業を支援している日本を代表するベンチャーキャピタル(VC)である。投資だけではなく、起業支援や、人材マッチアップなどスタートアップのイノベーションエコシステムそのものを作り上げることを目指して活動を広げていることなどについて説明した。
※東大IPCについてのJ-STORIESの記事はこちらから参照できます。
一方、イベントの期間中、ステージ側の展示スペースでは、このイベントのために来日した台湾のスタートアップ企業が展示を行うブースが設けられ、スタートアップ関係者と会場に訪れた多くの日本の投資家や企業関係者との間で交流する様子がみられた。
また、午後には浜松町にて、台湾が海外で設立する最初のイノベーションベース(東京オフィス)(東京都港区)の正式オープン式典が行われ、多くのメディアや関係者が集まった。
オフィスは、日本と台湾の企業、スタートアップ、投資機関に対し、会社登記、投資紹介やビジネス協力、IPO支援などを行ったり、日台の人材交流の場として利用される予定だという。
イベント終了後の夕方には、八芳園(東京都港区)にてガラディナーが開かれた。台湾のアーティストによるパフォーマンスが披露され、招待されたスタートアップ関係者や著名なベンチャーキャピタルなどの金融関係者、投資家などの参加者を楽しませた。
イベント概要:
名称:2024 日本・台湾イノベーションサミット
日時:2024年9月17日(火)〜18日(水)10時 ~17時
会場:Tokyo Innovation Base (TiB) 2階 (有楽町駅前、東京都千代田区丸の内3-8-3)
形式:オンサイトの会場参加
言語:中国語と日本語(※日中同時通訳あり)
主催:Startup lsland TAIWAN
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