アジア初の「ユニコーンサミット」、70社以上の創業者やCレベル経営者らが東京に集結

韓国、台湾、日本を中心としたアジアのユニコーンと次世代ユニコーン企業の創業者と経営幹部が、Tokyo Unicorn Summit 2025に参加

1日前
by Toshi Maeda
アジア初の「ユニコーンサミット」、70社以上の創業者やCレベル経営者らが東京に集結
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JStories — ユニコーン企業に特化した、アジア初のクロスボーダー・ネットワーキングイベント「Tokyo Unicorn Summit 2025」が5月7日(水)、東京・麻布台ヒルズにて開催され、韓国・台湾・日本を中心としたアジア地域から70社以上のユニコーンおよび次世代ユニコーンのCレベル経営者を含む、200名以上のスタートアップ関係者が集まった。
初開催となったこの招待制のサミットには、投資家やスタートアップ支援関係者も参加。東京を代表するスタートアップイベント「SusHi Tech Tokyo」の開幕前日に合わせて、韓国の大手新聞『朝鮮日報(Chosun Ilbo)』や台湾のスタートアップ支援イニシアティブ「Startup Island Taiwan」などによる共催で実現した。
2025年5月7日、東京・麻布台ヒルズで開催されたTokyo Unicorn Summit 2025に参加する来場者たち     写真撮影:Moritz Brinkhoff | JStories (以下同様) 
2025年5月7日、東京・麻布台ヒルズで開催されたTokyo Unicorn Summit 2025に参加する来場者たち     写真撮影:Moritz Brinkhoff | JStories (以下同様) 
「アジアのトップスタートアップが一堂に会し、もし繋がったら、何か面白いことが起きる予感がしませんか?」今回のサミットの旗振り役となった朝鮮日報・東京支局長のソン・ホチョル氏は、サミットの冒頭でそう問いかけた。「それがこのサミットの出発点でした。意外なことに、アジアのユニコーン企業のCxOたちは、実は互いに面識がないケースが多いのです」
Tokyo Unicorn Summit 2025で開会挨拶を行う朝鮮日報東京支局長のソン・ホチョル氏
Tokyo Unicorn Summit 2025で開会挨拶を行う朝鮮日報東京支局長のソン・ホチョル氏
今回の参加企業で最大規模となったのは韓国勢で、10社の現役ユニコーンを含む30社以上の成熟したスタートアップが登壇。ABLY、Dunamu、Karrot、Korea Credit Data、Megazone Cloud、Story Protocol、Rebellions など、第一線で活躍する韓国の有名ユニコーン企業が勢揃いした。
日本からは、マテリアルテック領域のユニコーンTBMやAIユニコーンのPreferred Networksが参加、将来のユニコーン候補とされる約20社も加わった。台湾勢ではリテールテックの大手91APPを筆頭に約20社が参加。参加台湾スタートアップの中には、東京証券取引所での上場を視野に入れる複数のスタートアップも含まれた。
完全招待制で行われたこのサミットはアジアのスタートアップエコシステムを深掘りするセッションと議論を通じ、実践的なネットワーキングと地域間連携の機会を提供。来場者には、台湾の前デジタル担当大臣オードリー・タン氏や、東京都、韓国スタートアップフォーラムの幹部も名を連ねた。
2025年5月7日、東京・麻布台ヒルズで開催されたTokyo Unicorn Summit 2025での様子。日本、韓国、台湾からの参加者が集い、グループ写真やラウンドテーブル、ネットワーキングを行った。右下には台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タン氏(右から4人目)の姿も見られる
2025年5月7日、東京・麻布台ヒルズで開催されたTokyo Unicorn Summit 2025での様子。日本、韓国、台湾からの参加者が集い、グループ写真やラウンドテーブル、ネットワーキングを行った。右下には台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タン氏(右から4人目)の姿も見られる
「期待以上のイベントでした。日本・台湾・韓国といった多様な国のスタートアップが一堂に会する機会は本当に貴重。参加企業も多くが10億ドル規模以上の成熟企業で、非常に価値のある経験です」と、韓国のAIチップユニコーン「Rebellions」のCEO、パク・ソンヒョン氏は語った。
韓国のAIチップ系ユニコーンRebellionsのCEO、パク・ソンヒョン氏(中央)が、Tokyo Unicorn Summit 2025のラウンドテーブルで発言。パク氏は日本市場でのAIインフラ展開の可能性について語った
韓国のAIチップ系ユニコーンRebellionsのCEO、パク・ソンヒョン氏(中央)が、Tokyo Unicorn Summit 2025のラウンドテーブルで発言。パク氏は日本市場でのAIインフラ展開の可能性について語った
Rebellionsは、日本市場への本格参入を見据えている。「日本は構造的で規模も大きく、省エネ型AIインフラに対する需要も高い。我々のソリューションと非常に相性が良い。データセンター事業への展開や、日本・台湾をつなぐ半導体エコシステムの構築にも貢献していきたい」とパク氏は話す。
また、韓国の不動産テック企業「RSQUARE」のCEO、イ・ジョンウ氏も同様の見解を示した。「日本は不動産市場として世界的に見ても巨大。競争も激しいですが、それだけチャンスも多い。日本市場への進出には強い関心があります」
日本側の参加者にとっても、本サミットはアジアの成長企業とつながる貴重な場となったようだ。「この機会は逃したくなかった」と語ったのは、日本のマテリアルテック・ユニコーンTBMのチーフナレッジオフィサー、中村智哉氏。「海外スタートアップが日本の投資家や企業と出会える絶好の機会となりました」
日本のマテリアルテック・ユニコーンTBMのチーフナレッジオフィサー、中村智哉氏(中央)がTokyo Unicorn Summit 2025のパネルディスカッションに登壇
日本のマテリアルテック・ユニコーンTBMのチーフナレッジオフィサー、中村智哉氏(中央)がTokyo Unicorn Summit 2025のパネルディスカッションに登壇
台湾91APPのCFO、メイ・カオ氏は、カジュアルな雰囲気が好印象だったと語る。「もっとフォーマルなイベントかと思っていましたが、むしろカジュアルで話しやすかった。業界が違う者同士でもオープンに話せることで、信頼も築きやすくなる。フォーマルすぎると、プライベートに話せる機会を失いかねません」
台湾のリテールテック企業91APPのCFO、メイ・カオ氏
台湾のリテールテック企業91APPのCFO、メイ・カオ氏
セッションやディスカッションに加えて、今回のユニコーンサミットのハイライトはネットワーキングにあった。参加者はコーヒーやビュッフェスタイルのディナーを楽しみながら、新しいな出会いやカジュアルな会話を楽しんでいたようだ。
一方、キヤノンの事業開発マネージャーとして参加したチェ・ヒジェイン氏は、別の目的で会場に足を運びました。「私は韓国出身ですが、今日はキヤノンの立場として、韓国の優れたスタートアップとの連携を探り、日本市場への参入を促すために来ました。ネットワーク構築には理想的な機会だった」と語った。
記事:前田利継
トップ写真:Moritz Brinkhoff | Stories
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