おにぎり写真で給食を寄付

世界の飢餓改善に一役 

5月 17, 2022
by yui sawada
おにぎり写真で給食を寄付
この記事をシェアする
J-STORIES ー おにぎりの写真をSNSなどに投稿するだけで、飢餓や栄養失調に直面しているアフリカやアジアの子供たちに給食が届く。世界の食料問題の解決をめざして2015年から始まった日本のNPO法人の活動は順調に拡大しており、子供たちが手にする給食の累計は他のプログラムと合わせて今年中に9,000万食の大台に乗る見通しだ。
世界では総人口約75億人のうち、8億人近くが飢餓や栄養失調に苦しむ一方、およそ20億人が肥満などに食に起因する生活習慣病を抱える。「二人のための食卓」を意味するTABLE FOR TWO International(以下、TFTとする)が主催する「おにぎりアクション」には、こうした世界規模の食の不均衡を解消し、 開発途上国と先進国の人々が抱える健康問題を同時に改善していこうという目標がある。
おにぎりアクション以外のプロジェクトも含め、TFTが届けた給食数は今年2月末の時点で8,700万食を超えた     TABLE FOR TWO 提供
おにぎりアクション以外のプロジェクトも含め、TFTが届けた給食数は今年2月末の時点で8,700万食を超えた     TABLE FOR TWO 提供
このアクションへの参加に必要なのは、おにぎりにまつわる写真だけ。SNS、またはおにぎりアクションの特設サイトに「#OnigiriAction」のタグをつけて投稿すると、1枚の写真投稿につき給食5食分に相当する100円の寄付を協賛企業・自治体が提供し、アフリカ・アジアの子どもたちに食事をプレゼントできる仕組みだ。投稿する写真には厳しい制限はかけず、参加のハードルを下げる工夫をしている 、という。
寄付対象となる写真は「おにぎりにまつわる写真の投稿であれば何でもOK」    TABLE FOR TWO 提供
寄付対象となる写真は「おにぎりにまつわる写真の投稿であれば何でもOK」    TABLE FOR TWO 提供
国連では10月16日を「世界食料デー」として、世界中の人が食べ物や食料問題について考える日として定めている。おにぎりアクションはそれに合わせる形で、毎年10月~11月頃の約1か月間、開催する。
活動開始から7年目となった昨年は、国内ではすべての都道府県、世界は35か国から参加があり、投稿写真数は32日間で約27万枚を突破。同活動を始めた2015当初の約50倍ものアクション数があり、約140万食の給食支援につながったという。
日本食の中でも特に身近で、誰かのために握る機会の多い食べ物であるおにぎりをシンボルとした       TABLE FOR TWO 提供
日本食の中でも特に身近で、誰かのために握る機会の多い食べ物であるおにぎりをシンボルとした       TABLE FOR TWO 提供
TFTのマーケティング担当者、村田亜希子さんによると、投稿する個人の「誰かのために何かしたい」という想いや、おにぎりにまつわる心温まるエピソードがSNSを通じて共感を呼び、アクションの輪は広がっているという。
TFTでは、活動に賛同する企業の社員食堂や店舗で対象となる「TFTヘルシーメニュー」を購入すると、途上国の給食1食分の金額にあたる20円が寄付となり、 飢えに苦しむ子どもに給食1食分をプレゼントできる、というのプログラムも行っている。
また、海外での活動として、全米各地で食育プログラム「Wa-shokuiku(和食育)」 を展開。 2017年のスタートから約2年で、累計4,500名以上が参加する規模となっている。
村田さんはJ-Storiesの取材に対し、「個人、企業や団体と私たちNPOが持つそれぞれの強みを掛け合わせることで、世界を前向きに変えていく力が増し、新しい価値が生まれる」とし、「おにぎりアクションを通じて、(多くの人が)世界の食の不均衡と肥満と飢餓の問題について考え、行動するきっかけを作っていきたい」と話している。
記事:澤田祐衣 編集:北松克朗 
トップ写真:TABLE FOR TWO 提供
この記事に関するお問い合わせは、 jstories@pacificbridge.jp にお寄せください。

***

上記の記事の内容は、動画リポート(英語)でもお伝えしています。

***

本記事の英語版は、こちらからご覧になれます。
コメント
この記事にコメントはありません。
投稿する

この記事をシェアする
人気記事