日本の古着をワクチン支援に活用

日本の古着をワクチン支援に活用

子どもたちの命を救い、雇用創出にも一役

by Yoshiko ohira
J-STORIES ー 不要になった古着やバッグなどを回収し、開発途上国へのワクチン支援や国内外の雇用創出につなげる社会貢献サービスの利用が広がっている。事業を展開している日本リユースシステム(本社:東京都港区、山田正人(代表取締役)によると、2010年のサービス開始以降、集まった衣類は今年9月現在で3700万枚を突破、支援したワクチンは450万人分に近づく量に上った。事業には途上国の人々や障がい者らが参加し、新たな雇用機会も生み出しているという。
環境省の調査によると、日本では1日に大型トラック約130台分の衣類がゴミとして捨てられている。一方、開発途上国に目を向けると、ワクチンで予防できる感染症で、20秒に1人、1日4000人もの子どもたちが死亡しているといわれる。「日本で日常的に捨てられている多くの衣類を活用し、開発途上国のワクチン不足を解決できないか」。同社が「古着deワクチン」事業をスタートさせたのは、そんな思いがきっかけになった。
同サービスの利用者のリピーター率は7割を超すという。「できるだけ環境にやさしい衣類の手放し方をしたいと考える人が増えていることに加え、片づけと社会貢献が同時にできるという手軽さ、国内でのSDGs(国連開発目標)達成に向けた意識の変化などが数字を後押ししている」と広報担当の鈴木詩織さんは話す。
ポリオワクチンを接種するミャンマーの子どもたち     日本リユースシステム 提供
ポリオワクチンを接種するミャンマーの子どもたち     日本リユースシステム 提供
利用者は、電話やネットで専用回収キット(3300円)を購入し、同梱されている回収袋に不用になった衣類を詰め、着払いで発送する。キットの利用数に応じて、同社からNPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通じて、開発途上国(ブータン、ミャンマー、ラオス、バヌアツ)の子どもたちにポリオワクチンが寄付される。利用1口につき、5人の子どもにワクチンを提供できるという。
回収できるのは、衣類や服飾雑貨。下着、靴下、シミや汚れがあるものは不可。「次に使う人が気持ちよく利用できるもの」が基本となる。       日本リユースシステム 提供
回収できるのは、衣類や服飾雑貨。下着、靴下、シミや汚れがあるものは不可。「次に使う人が気持ちよく利用できるもの」が基本となる。       日本リユースシステム 提供
写真右は回収袋に印刷されているアーティスト(庫美原さん)の作品。    日本リユースシステム 提供
写真右は回収袋に印刷されているアーティスト(庫美原さん)の作品。    日本リユースシステム 提供
 回収した衣類はカンボジアに送られ、店舗で販売される。直営店では、障がい者やストリートチルドレンだった若者たちを積極的に採用し、新たな雇用を創出。販売だけにとどまらず、マネジメントができる人材の育成にも力を注ぎ、最終的な自立に向け後押しをしている。
 同社では、 今年10月から企業や団体向けのサービスもスタートした。参加したプランに応じて、同社からPRなどに活用できる感謝状や認定証が提供される。個人から企業、団体へと利用層を拡大させることで、「この事業を社会貢献の一つのプラットホームにしていきたい」と鈴木さんは話している。
カンボジア直営店で働く人々。自分たちが商品を売ることで、誰かの役に立てることが働くモチベーションになっている。     日本リユースシステム 提供
カンボジア直営店で働く人々。自分たちが商品を売ることで、誰かの役に立てることが働くモチベーションになっている。     日本リユースシステム 提供
記事:大平誉子  編集:北松克朗
トップ写真:korneevamaha/Envato
この記事に関するお問い合わせは、jstories@pacificbridge.jp にお寄せください。

***

上記の内容は、動画リポート(英語)でもお伝えしています。

***

本記事の英語版は、こちらからご覧になれます。

***

この記事はJ-STORIESの独自取材に加え以下のサイトの情報を参考にしています。

© Pacific Bridge Media and Consulting, Inc. All Rights Reserved.

Version 1.0